キャンプの前に再確認。スカウトが語るキャンプマナー

キャンプの基礎情報

今回はとても大切なキャンプマナーについてです。

最近キャンパーの質を問われるニュースが度々取り上げられています。

河川敷BBQでゴミ大量放置、コンロやテーブルも 松本市「不法投棄として問題視」、相手方が分かれば「しっかり話をしたい」 (BIGLOBEニュース - 05月12日 14:18)
長野県松本市の河川敷に、バーベキュー(BBQ)の大量のゴミとともにコンロなどまで放置され、住民らを困惑させている。管轄する松本市は、取材に対して「不法投棄として問題視」「ゴミは持ち帰っていただきたい」とコ...

ひとりのキャンパーとして、こんなニュースでキャンパーの姿が描かれることには憤りしかありません。

今回は炎上キャンパーにならないためのキャンプマナーについて熱く語ります!

モラルとマナーとルール

モラルやマナーやルールって、共同生活の中では欠かせないモノとして扱われていますが、ルールはない方が発展するという考え方もあるようです。

モラル 道徳心。文化として形成された考え方。いわゆる常識。
マナー 相手を思いやる気持ち、振舞い。
ルール 規則。逸脱すると罰則がある強い規律。

先ほどの松本市での不法投棄問題は、モラル、マナー、ルールいずれも守れていない最悪のケースですが、根本はモラルの欠如です。
ゴミを持ち帰らないとか、物を盗むとか、日本の文化に適合できない者にはルールで規律を保つしかないようにも思います。

でもルールにより楽しみの幅が狭まるのは不本意であり残念ですよね。
これから先もキャンプを楽しむためには、キャンパーひとりひとりがしっかりモラルを持ち、マナーを意識することが大切です。

キャンプマナーとは

モラルやマナーの意識がある人でも、その文化に精通していないと気付けない事もたくさんあります。
悪気が無くても人に不快を与えてしまえばやっぱりそれは良くない事。

今回は当たり前のルールやマナーの他、キャンプ特有の活動における気付き難いマナーや心遣いについても紹介したいと思います!

◆キャンプ場のルールを守る

ひとつ目はキャンプ場のルールを守る事です。
車の入っていい所や交通ルール、やっていい事いけない事、消灯時間などのキャンプ場特有のルールは、webサイトや入場時に説明がありますので、よく確認して守る事に全力を尽くしましょう!

特にゴミのルールについては事前に確認をしておきましょう。
ゴミを回収してくれるキャンプ場も中にはありますが、地域によって分別ルールの厳しさが異なります。
住んでいる地域のルールではなく、キャンプ場のある土地の分別ルールに従わなければならないので、遠出する際はよく確認しましょう。

ワンポイント
ゴミの回収可否に関わらず、発生するごみを最小限に抑えることも大切です。
お肉などは買った状態のまま持って行くのではなく、ビニール袋などに小分けにして持って行くとゴミが嵩張らなくなりますよ!
クーラーボックスも大型化しないのでおすすめです!

もうひとつ、洗い場を使用した後の清掃には気を付けましょう。
特に煤や油はいろいろな物に移り易く取れ難い汚れです。
次に使う人の食器や道具を汚してしまわないよう、使い終わったシンクやスポンジ類はきれいな状態に戻しておきましょう。

◆自然をリスペクトする

リスペクトの対象は自然だけではありませんが、特にフィールドを形成する自然の維持はとても大変です。

昨今は直火が禁止されているキャンプ場が多数ですが、直火の行為だけでなく熱や炭による汚染にも気を配る必要があります。
熱は地面で生活している微生物や植物を殺します。炭は彼らの生活する土壌を汚染します。
一度汚染された土壌が回復するのには何十年も掛かると言われています。

薄くなってきた頭の毛はそう簡単に回復しません。
でもそれはその人の代で終わる話です。しかし土壌の汚染はそうはいきません。
彼らのずっと先の代に渡るまで土壌の汚染は消えず、長い年月住処を奪うことになります。

熱や炭、油跳ねなどでの土壌汚染を防ぐためにも、焚き火シートを使うなどの環境配慮がキャンパーの責任です。

ワンポイント
フライパンなど熱された調理器具を直接地面に置かないように注意しましょう。

◆他のキャンパーに迷惑を掛けない

「人にされて嫌な事はするな」、「情けは人の為ならず」、キャンプ以外でもこの言葉の実践が笑顔の秘訣だと思っていますが、これを実践するには相手の考えや思いを読み取る想像力が必要です。
私もハッとすることが何度もありましたが、出会ってきた人達に恵まれて今もキャンプを続けられています。感謝です。

よく”近くのサイトの人に挨拶をするといい”なんて話を聞きますが、この効果は絶大だと思います。
特に子供たちが挨拶するだけで結構大目に見てくれたりします。

でもそんなご厚意に甘えるのではなく、やっぱり迷惑を掛けない振る舞いが大切です。

1.他の人のサイトやテリトリーを横切らない

これ、結構目にするマナー違反です。
垣根などでしっかり区切られたサイトでは余程見かけませんが、区画の目印が見え難いサイトや荷物の少ないソロキャンプの方のエリアは、場所によって通り道の様になっていることがあります。

テントやタープの周囲は見え難いガイロープなどが張られていることもありますので、躓く危険だけでなく相手の道具を壊してしまう恐れもあるとてもリスキーな行為です。

例え遠回りだとしてもサイトの侵入は絶対にダメです。

2.飛び道具的な遊具はサイトの傍では使わない

想像できる話かと思いますので特に細かく触れませんが、ボールの他フリスビー、バドミントンなども場所を考えて遊びましょう。
キャンプ場によっては禁止されているところもありますよ。

また、当たっても痛くありませんが、シャボン玉も遊ぶ場所を選ぶおもちゃです。
テントやタープの素材によってはシミになることがあり、場合によっては賠償なんて話になりかねません。
食材に付くと健康被害にも繋がるため、皆が綺麗だねという眼で見る訳ではないことは忘れないようにしましょう。

3.灰は出来るだけ飛ばさない

焚き火をすれば煙は立ちますが、灰は別物です。

一昔前は新聞紙を丸めて内輪でガンガンに仰いで火を付けていましたが、今は大量に灰を作り出す紙はほとんど使わず、着火剤やフェザースティックなどで火を点け、火吹き棒でピンポイントに酸素を送る時代になりました。

シャボン玉と同じように灰はくっつくと取れ難く、大量に飛散すると避ける事も出来ない厄介者です。
白い目で見られないよう、着火に不安な方は着火剤を用意しておきましょう。

4.火の管理を疎かにしない

焚き火に火が点くまではしっかり見ていても、火が安定した途端に目を離すキャンパーが多いです。
焚き火だけじゃなくバーナーやランタンなど、火が点いている方が危険だという事を頭に入れ、いつでも消火出来るよう火の傍には必ず誰かが居るようにしましょう。

周囲に枯草や落ち葉などがあると火の粉で延焼することが考えられます。(実際に火事になったケースもあります。)
燃え易い物が周囲にない環境で火を起こすことと、風が強い時には焚き火をしないという判断を確実に実践してください。

お風呂や就寝のために火から離れなければならない時には、忘れず必ず消火をしましょう。

5.消灯後だけじゃなく、早朝も大きな音を立てない

消灯後に大きな声を出すなんてのは以ての外ですが、早朝の音にも注意が必要です。

いつもは早起き出来ない人でもキャンプの朝だけは早く起きる人っていますよね。はい、私です。
目的は朝の空気や静けさを楽しむためですが、この時間の声や音ってものすごく気になるんです。

早く目を覚ました子供の元気な声や、焚き火のための薪を割る音、車のドアを開け閉めする音・・・
キャンプ場ならではの音とも言えない事はないですが、まだ寝ている方もたくさんいます。

自然の中では小さな音でもとても遠くまで通ります。
前日の明るい間に翌日の準備まで想像して動けるといいですよね!

6.アイドリングや発電機を使わない

基本的に車中泊や発電機などの可否はキャンプ場のルールに従った運用となりますが、騒音に値する音や排気ガスを出すものは使用しない事がマナーです。
電源を必要とする場合には電源サイトやポータブル電源などを使用し、他のキャンパーの迷惑にならない配慮をしましょう。
音や排気ガスだけでなく、車のヘッドライトや投光器などの広範囲を強く照らすような光も避けるべきです。
どうしても使用する際は陣幕などを張り、他サイトから見えないようにする配慮も必要ですよ。

笑顔を繋ぐために

外だから大丈夫という考え方は甘く、実際には家の中よりもご近所は近くにいます。
仲間や家族が恥ずかしい思いをしないよう、同じように共に過ごす周りの人を気に掛けてください。
そして特にお子さんのいる方は、キャンプ場に立ったその時にルールやマナーについて伝えてみてください。

皆が笑顔の思い出を残せるように。

キャンプマナー一覧
◆キャンプ場のルールを守る
 ・交通ルールや消灯時間、禁止事項など
 ・ゴミはしっかり分別する
 ・使用後の洗い場、スポンジなどはきれいにして戻す

◆自然をリスペクトする
 ・直火禁止の場所では直火をしない
 ・焚き火の際は焚き火シートを使う
 ・熱いものを地面に直接置かない

◆他のキャンパーに迷惑を掛けない
 ・他の人のサイトやテリトリーを横切らない
 ・飛び道具的な遊具はサイトの傍では使わない
 ・灰は出来るだけ飛ばさない
 ・火の管理を疎かにしない
 ・消灯後、早朝は大きな音を立てない
 ・アイドリングや発電機を使わない
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